
私自身、
「どこにも居場所がない」
と感じていた女の子のひとりでした。
摂食障害、自傷、OD(過剰服薬)、etc…
閉鎖病棟に強制入院
生きる意味も、生まれてきた意味も
分からなくなるような地獄の日々。
社会にも、学校にも馴染めないまま、
必死に空気を読んで、なんとか歩調を合わせていた
時期もありました。
「多様性を尊重しよう」
「個性を大切にしよう」
そんな言葉があちこちで
語られるようになった今でも
その言葉の恩恵を受けられないまま、
今日も孤独を抱えて生きている子たちは
たくさんいます。

『こうあるべき』
という空気、大人の言葉
『ちゃんとしなさい』
『もっと頑張れよ』
という無言の圧力
家庭で、学校で、社会の中で。
誰かに決められた枠の中で
大人が望む「いい子」を求められ葛藤し
あるときは、空気を読んで
元気そうにふるまい
必死で“普通”を装う
そして少女たち自身も気付かないうちに
自分を否定し続け
自分を押し殺し
自分を失っていく
そのうち、本当は
何が好きで、
何を感じていて、
何が苦しいのか。
“自分の声”さえもわからなくなってしまう。
たとえ「苦しい」と口にしても
問題行動とされていることで
彼女たちなりのSOSを出していても
「もうちょっと頑張れ」
「そんなの悩みのうちに入らないよ」
「かまってほしいだけ」
と流されてしまう。本気で向き合ってもらえない。
少女たちが望むような、その先の受け皿がない
SOSを出していても、そんなSOSが見過ごされ、
孤独の中、苦しみを抱えきれなくなる子たちも、
私は見てきました。
心の奥で必死に叫んでいる子たち。
「あなたは、もう十分苦しんでる。誰にも言えず、
気づいてももらえず、それでもずっと耐えてきた。
その痛みは、ちゃんと見てるよ。」
彼女たちのどんな声も見逃さず、
ちゃんと聴きたい。
一緒に考えたい。
ちゃんと向き合える場所をつくりたい。

そして、
「ここにいていいんだ」
と心から思える場所。
どんな時でも、
どんな気持ちでも、
ここにいられる場所。

また、
衣食住が安定し
心から安心できる場所
頼る人がいる場所
自分のことを大切に、
大好きになれる場所
そして彼女たちのかけがえない人生の航海に
また再び漕ぎ出せるための休憩所のような場所
いつでも帰ってこれる実家のような場所
そんな場所を、これからも大切に育てていきます。
NPO法人うみのさと代表
湊宮月蝶院 住職
牧野 蝶朝
・少年院篤志面接委員
・思春期保健相談士
・妊娠葛藤相談員
etc…